そう我々が2年生になった頃だ。
6版になっても5版のカードは平気で使っていた。スタンダードという遊び方を知ってはいたが、持ってるカードが使えなくなるなんて、と自分の首を締めるようなフォーマットは誰もしたがらなかった。健全である。
とはいえ、新しいもの好きでもあったので折角なのでスターターを買うことにした。新しい基本地形も欲しかったからだ。もちろん良いレアがあればいいなと思ったが、なによりも
「真紅のマンティコアだけは勘弁してくれ」
これに尽きた。実は6版には存在しないのだけどそれを知らないのでビクビクしていた。
さて開封。
レアカードはかたまって3枚並んでいた。5版と違ってエンブレムが金色にマーキングされるようになったのでわかりやすい。
最初は
『硫黄泉』
う、うおーっ、やったー!!
当時かなり高価であったダメージランドを引き入れたのだ。
これだけでも元が取れるくらいなのだが、
『にやにや笑いのトーテム像』
これまた当時そこそこのカードで、相手のライブラリーを触れる貴重なカードであった。黒使いとしてはエンチャント対策のため是非入れたかったのだ。ちなみに5版の『道化の帽子』のほうが強いのは言わない約束である。
レア2枚はなかなかであり、いいスターターを買ったものだと最後のレアの色だけちらっと見た。
「青」
大丈夫、マンティコアじゃない!
どきどき・・・
・・・ん?
ご丁寧にも5版と6版で揃えてしまった。
フォントの変更がチャームポイントだ。『道化の帽子』と同じく帽子をかぶっているのが、これまた憎たらしい演出である。
まあ2枚のレアは良かったな、と改めて黒ウィニーに使えそうなカードを探した。
・・・一枚たりとも無い。
なんだよー、そこはハズレかー、と残念がった。
しかし無くて当然である。6版でスタックルールの導入と共に、大きくテコ入れを食らったのは「黒」だったのだ。それまでの速攻主体の色からコントロール系への移行を狙った改変がされていたのだ。
この事件についてはよく覚えている。次回にて。