第11版 ~帽子~

『再会、2回目』


 単色ウィニーブームは隆盛を極め、誰もがシンプルなぶつかり合いを楽しんでいた頃、第6版「クラシック」が発売された。

そう我々が2年生になった頃だ。


 6版になっても5版のカードは平気で使っていた。スタンダードという遊び方を知ってはいたが、持ってるカードが使えなくなるなんて、と自分の首を締めるようなフォーマットは誰もしたがらなかった。健全である。


 とはいえ、新しいもの好きでもあったので折角なのでスターターを買うことにした。新しい基本地形も欲しかったからだ。もちろん良いレアがあればいいなと思ったが、なによりも


「真紅のマンティコアだけは勘弁してくれ」


これに尽きた。実は6版には存在しないのだけどそれを知らないのでビクビクしていた。


さて開封。


レアカードはかたまって3枚並んでいた。5版と違ってエンブレムが金色にマーキングされるようになったのでわかりやすい。


最初は

『硫黄泉』


う、うおーっ、やったー!!

当時かなり高価であったダメージランドを引き入れたのだ。

これだけでも元が取れるくらいなのだが、


『にやにや笑いのトーテム像』


これまた当時そこそこのカードで、相手のライブラリーを触れる貴重なカードであった。黒使いとしてはエンチャント対策のため是非入れたかったのだ。ちなみに5版の『道化の帽子』のほうが強いのは言わない約束である。


レア2枚はなかなかであり、いいスターターを買ったものだと最後のレアの色だけちらっと見た。



「青」



大丈夫、マンティコアじゃない!







どきどき・・・







・・・ん?





は、
鼻くそやんけーーーー!!!!


忘れた方は第1版を。第5版を購入した私の、記念すべき最初のレアのひとつだ。


鼻くそがつがいになるというオチもついた。

ご丁寧にも5版と6版で揃えてしまった。

フォントの変更がチャームポイントだ。『道化の帽子』と同じく帽子をかぶっているのが、これまた憎たらしい演出である。

 

 

 まあ2枚のレアは良かったな、と改めて黒ウィニーに使えそうなカードを探した。

 

 

・・・一枚たりとも無い。

 

 

なんだよー、そこはハズレかー、と残念がった。

 

しかし無くて当然である。6版でスタックルールの導入と共に、大きくテコ入れを食らったのは「黒」だったのだ。それまでの速攻主体の色からコントロール系への移行を狙った改変がされていたのだ。

 

この事件についてはよく覚えている。次回にて。