情報処理室という部屋が中学校にあった。
これは1クラス分のパソコンが置いてあり、英語の時間にアルファベットを打ってみたり、技術の時間にプログラミングをしてみたりする場所だ。そしてこの部屋で「情報処理」が早く終わったときはインターネットをしてもいいことになっていた。
当時の社会事情はようやく一般家庭にWindowsが普及し始めた頃で、当然殆どの生徒がネット世界になんて触れたことが無かった。
あるとき友達がMtGのカードが載ってるページがあると教えてくれた。これは見なければ、と次の時間に言われた通りに検索し閲覧した。そう、今はなきホビージャパンのページである。そこには発売されているカードリストが公開されていて、残りの授業時間で可能な限り眺めたものだ。よく皆で見つけたカードを語り合っては盛り上がっていた。
「ショークーってタップだけでクリーチャー除去できるらしい」
「ファイレクシアン・ドレッドノートって1マナで12/12やで!」
などなど。
『情報の価値は万金に値する』
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こう話した人は、その後ソフトバンクの社長になった。
住んでいる所は都会とは言い難く、ショップも自転車40分くらいの所に一軒のみ。たまたま同時期に訪れたITの波がカードリストを手軽に把握することを可能にしてくれなければ、情弱のままMtGライフを終えていたかもしれない。
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「勘違いするんじゃない。
勝ったのはMajicじゃない。
Majicのユーザーだ!」