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<第1話 勇者たちの到来>

 

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masa:戦士 

miya:射手 

shim:ドワーフ 

自分:魔術師

 

 

 

 

 当然だが誰も説明書を読んでいない。しなくていいと言われたのだから堂々と読まない。

 

 

 さて、全員がMAP上の決められた位置につき、物語カードをめくる。このカードによってゲームが進行していくのだ。

 

 最初は4つの任務が与えられた。お城に来ること、商人のところで攻撃力を上げること、川の近くに発生している霧を調査すること、井戸の水を飲み干すこと。最後の任務は意味不明である。これを1日以内にこなすらしい。ちなみに1日は基本7アクションで、それ以上は日が暮れてしまうため、臆病な勇者達は1アクション毎に意志力が-2。こき使えば最大で110アクションまで出来る。マップの1歩は1アクション、戦闘を仕掛けるのも1アクションと、アンドールの1日は短い。1アクションを1時間と想定するなら、勇者達は17時間寝ている計算になる。これは116時間の睡眠を要するパンダをも上回る。

 

 さて、そんな怖がりでよく寝る勇者達は、誰がどの任務を行うか相談した。

 戦士masaは特殊能力で『井戸水を飲むと意志力+5』。問答無用であの任務に決定。

 射手miyaは霧に近かったので躊躇せず霧に飛び込んでいった。

 ドワーフshimは道端でがめつくお金を探し、その拾ったお金で攻撃力を上げていた

 魔術師の私は、その場から2歩南下して城に入った。それだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 最初の任務で、移動について、霧について、攻撃力の上げ方、井戸水の飲み方、を学んだ我々は、物語カードで次のイベントに導かれた。

 

『やつらが来た!』

 

 国土のいたるところに『ゴル』が出現した。ドラクエのスライム、FFのゴブリンに相当する最弱モンスターであろう。モンスターは1日毎に城に向かって進軍してくる。4人プレイだと2匹侵入した時点で敗北だ。

 早速、前半殆ど何もしていない魔術師がゴルに挑んでいった。魔術師の特殊能力は『サイコロの目を裏返してもよい』。つまり通常のサイコロなら4,5,6しか出ないのである。

 戦闘は基本攻撃力+サイコロの目で行われ、サイの目の差がダメージとなる。サイコロの数はキャラクターによって違い、一番大きい数を採用できる。モンスターのみ、ゾロ目が出たらその合計数を足す。いわゆる『痛恨の一撃』だ。

 何回攻撃を仕掛けてもいいが、その度に1アクション消費し、途中であきらめるとモンスターのHPは元に戻ってしまう。

 ゴルは攻撃力2HP4、サイコロ2つ。4,5,6しか出ないなら負けないだろう。

 

魔術師:1+56、ゴル:2+24、ゴルに2のダメージ。

 

あと一撃ってとこか。

 

魔術師:1+45、ゴル:2+4=6、魔術師に1のダメージ

 

お、なかなかやるじゃん。

 

魔術師:1+4=5、ゴル:2+3=5、両者有効打なし。

 

・・・

 

魔術師:1+5=6、ゴル:2+5=7、魔術師に1のダメージ

 

ちょ・・・まって・・・

 

魔術師:1+4=5、ゴル:2+6=8、魔術師に3のダメージ

 

て、撤退じゃー!!

 

 まあ冷静に考えると、相手の方が攻撃力が1高いのだから、こっちが4,5,6しか出なくても、有効打になる確率は55%しかないのである。

 叩きのめされて魔術師撤退。一番低ランクにこの体たらく。未だろくなことしていない。

 魔術師がボコられてるのを見て、単体の戦闘では不利と感じた戦士&射手は『共同攻撃』を行うことにした。これはお互いが攻撃できる範囲にいないと不可、という条件があるものの、攻撃力とサイコロの出目の合計値を足せるので、戦闘においては圧倒的に有利である。難なく一撃で『ゴル』撃破。

 

 なるほど、しっかり協力して撃破するのが大切なようだ。私もドワーフshimと徒党を組み、次々とゴルを撃破した。

 

 さて、このゲームは710アクションを全員が行ったら1日が経過し、時間トラックが進行する仕組みであったが、それとは別に『モンスターを一体撃破する』ことでも時間トラックが経過するのである。後々分かるが、このルールはどちらかと言うと、プレイヤー側に厳しく作用する。何も考えずゴル狩りをしていると、時間がドンドン経過し、『時間制限のあるイベント』をこなすのが大変になるのだ。しかし、ほっとくと城が蹂躙されてしまうし、倒さないとお金を貰えずキャラクターの強化もできないので、このバランスが中々難しい。これについては次回の伝説にて痛感されることとなる。

 

 城を守りきり、難なく<伝説1>は攻略。魔術師がボコられた以外に特に困難はなく「この調子なら楽勝、楽勝。へのつっぱりもいらんですよ」と大いに油断・慢心しながら次の物語に進んだ。そんな世の中を舐めきった勇者たちの性根が叩きなおされる本格的な試練が始まるのは、また次回のおはなし・・・