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下界で善行を積んでこい、なんてさ、「アノ方」も随分厳しいよな。ちょっと間引きを間違って地上の三分の一くらいを火の海にしただけだぜ。
・・・え、お前もそれくらいは出来るって?へー、やるじゃん!
だいたい生き物がどんだけ巻き込まれたとか知らねーっての。どーでもいいしさ。
しかし「アノ方」怒らせたのは不味かったな。そのせいでこんなしみったれた世界に堕とされちゃったわけよ。ま、でももうすぐ課されたノルマは達成さ。
・・・え、どうしてそんな早くたくさんの善行が積めたのかって?
簡単だろ、困っている人がいなければこっちから困らせてやればいい。悪魔から助けてください、死霊を祓ってください・・・って
ははは、全部オレが使役したんだっつーの!
お前知ってる?西の神、アイツもちょっと前に堕ちてきたんだけどさ、なんと律儀に人々の困難を解消してるらしーぜ!馬鹿正直にご苦労様です、って感じだよな。
だから、さっきその西の神の管轄にとっておきの『邪神』を使役してやったんだ。ちんたらやってたらいつまでも帰れませんよ、って最後に教えてやろうと思ってさ。
・・・ああ、そうだよ、次の善行が最後なんだ♪
邪神もいい感じに暴れているし、そろそろ行ってくるとするか。
ところで名前聞いてなかったな。お前って何階級の天使なわけ?
・・あれ?・・手に持ってるそれって・・・トランペット?
特殊能力が多彩なUNO。なにせ1以外の全てのカードに特殊能力がある。1~9までは4色あって、10以上のカードはワイルドカード。誰よりも早く手札を0にすることが勝利条件。
UNOと大きく異なる点は三点。
一つ目に手札がプレイできる場所が二ヶ所あること。UNOと同様の共通の捨て場と、もう一ヶ所自分の前である。共通の場に出すことを「解消」といい、同じ数字か同じ色が出せる。自分の前に出すことを「使役」といい、ここにプレイしたときそのカードの特殊能力が発動される。ただし出せるカードは、やはり共通の場と同じ色、または同じ数字である。さらに自分の前に出すだけなので、共通の場の色や数字を変更しないという点に注意。
二つ目は、「同じ数字をまとめて出す」ことは出来ない点。UNOで上がるための定番だが、このゲームでは不可である。代わりに、このような複数出す効果は、「使役」したときの特殊能力の一つとしてゲームに還元されている。
三つ目は、手札が残り1枚のとき「UNO」って言わなくても良いこと。まあこれは言ってもルール違反ではない。
誰かの手札が0になったらラウンド終了で、上がれなかった残りの人は失点計算をする。失点とはなにか?
実はこのカードに記載されている数字はカルマ値といい、手札に残ったカード、及び「使役」したカードは負けたときに失点になる。つまり失点を防ぐ方法は、真っ先に上がるか「解消」で共通の場に出すのみある。また『喇叭吹き』という特別カードもあり、これは引かれた度に場に出していき、4枚出揃うとゲームが終了となるので、その時点で失点計算が始まる。この失点をラウンドごとに集計していき、最終的に失点が最小であった者がゲームの勝者となる。
このゲームは妨害よりも上がるための特殊能力が強く、1ラウンドの終了は早い。手札が良く『8(従神):追加で2枚解消できる』『20(英雄):場と同じ色のカードを望むだけ解消できる』などがあれば一瞬でケリがつく。とてもではないが、毎回1番に上がることは出来ない。つまり麻雀に近い感覚で、上がりに遠そうなときは振り込まないこと、すなわち失点を抑えておくことも重要である。
『3(宣教師):対象は手番を飛ばす』『5(聖騎士):対象はカードを2枚引く』といった、いわゆる『Draw2』『Skip』は、隣人以外にも攻撃が出来るようになっているため、使い勝手が上がってはいるものの、1番に上がるために必要なカードではない。これを「使役」した人とされた人が速度の面で損をして、第3者が上がってしまうこともある。では有効に使う方法はなにか?トップ叩きであろう。最終的には失点がものをいうので、ラウンド終了時にカルマ値になり得る手札を増やすのも有効だし、『20(竜):これを相手のカルマに加える』といったカードもあり、最終ラウンドまで失点0で来ていても大逆転負けはあり得るのだ。
さらに『10(悪魔)』『20(死霊)』『30(邪神)』といった悪魔系のカードはなんと「解消」できない。つまりこれが手札にあると、上がれなかったときの大量失点に恐怖することになる。『30(邪神):誰かの手札を7枚にする』などは、その名に相応しい凶悪な効果だが、上がれなかったときの失点も30と、いかに悪魔との契約が難しいかを痛感する。
綺麗ごとだけではやってけないけど、不善もやり過ぎ注意ってとこ。うん、教訓。