キャメルアップ

photo credit: RaeAllen via photopin cc

各駝ゲートインから一斉にスタート

折り返し地点をまわったところで

先頭は予想通りアラビア・インパクト

各駝一団となってブルジュ・ハリファ、マディナ・ジュメイラ、

エミレーツ・モール、アトランティス・パーム、

そしてミドリラクダオーと続いております

オアシスをこえ蜃気楼にかかったところで

先頭は予想通りアラビア・インパクト

ラクダオーは大きくぐっとあいて

さあ、最後の直線コースに入った

あっ、ラクダオーがぐんぐん出てきた!

ラクダオー速い!トップのアラビア・インパクト懸命の疾走!

これをラクダオーが必死に追いかける!

ラクダオーが追いつくか!

アラビア・インパクトが逃げ切るか!

ラクダオーかアラビア・インパクト!

世界のキャメルマンよ見てくれ!

これがアラビア近代競駝の結晶だ!


Rule&Analysis


2014年ドイツゲーム大賞受賞作。


 有識者によると今年の最終候補は甲乙付け難い良作ぞろいだったそう。

 そんな激戦を制した作品である。


5匹のラクダがレースを繰り広げ、その順位を当てることでEP(エジプトポンド)を得る。一番稼いだ人の勝ち。


手番にできることは以下のうちひとつ。


①ピラミッドダイスマシーンの起動

②レグ予想タイル獲得

③最終予想投票

④砂漠&オアシスタイルの設置

少年ハートをくすぐるピラミッド型ダイスマシーン

逆さに向けてレバーを押せば、中のサイコロがひとつ転がり出る。



ゲームで賭けるところは2種類ある。それぞれ上の②③に関係する。

 

ひとつ目は「レグの順位」

すべてのラクダが一回ずつ前進したらひとつのレグが終了する。ピラミッドから出たダイスは全部出るまで回収しないので、要は5回ダイスが出るまでだ。このレグ終了までにどの色がトップにたっているかのレグ予想タイルを獲得しておくことで配当を得ることが出来る。最初に獲得すると高配当の5EPタイルになるが、二枚目は3EP、三枚目になると2EPとなる。その色が2位でも1EPは貰える。しかし、そのラクダが3位以下なら罰金-1EP。これは痛い。

 

ふたつ目は「最終順位」

どれか一頭がゴールした瞬間にすべての順位がつくのだが、この決着のときまでに「1着」「最下位」を予想しておく。

手札にはラクダの色に合わせて5色のカードがあり、ゲーム中に裏向きで投票所におくのだ。そして決着後に順次オープンされ、見事当てれば配当ゲット。色の他にプレイヤー識別用の「顔」もかいてあるので誰の投票か分かるようになっている。

当然早く投票した人程高配当。


 

そしてこのラクダたち・・・

 

 

上に乗る!

 

 

意味不明だと思うので、この「上に乗るシステム」について説明しよう。

 

これは同じマスにラクダがきた際に、上に重ねるという文字通りのもの。

面白い点は二つ。

下のラクダが動いたら一緒に動くことと、上にいるラクダほど順位が上とみなされることだ。

つまり・・・

このような大逆転があり得る。

 

 

どのタイミングでレグ予想タイルを得るかが勝負の分かれ目。

早く取りたいが、当てずっぽうではマイナスになるし、砂漠タイルの妨害をくらったりする。そもそも上に乗るシステムのせいで恐ろしくシーソーゲームになるので、よっぽど離れないと順位予想はたちにくい。かといってドンドン配当は下がっていくし・・・

 

このジレンマと熱いレース展開が魅力。

大賞納得級の面白さである。

サラブレッドには及ばないが、ラクダは実は馬と同じくらいの早さで走れるのだとか。馬ではなくラクダをモチーフにした理由は分からないが、日本では味わえない「競駝」をボードゲームで楽しんでみるのはいかがでしょう。


ひとつ競駝観戦の注意点を。

実際の競駝はアラビア半島の国々で見れるが、「競馬」と異なる点が一点。基本は長距離レース(5~10㎞)となるので、殆どスタートとゴールしか見えないのだ。