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誰かの家やカフェのテーブルに、
木製のオシャレなオブジェが乗っているのを
見たことはないだろうか。
よく見ると駒を動かして遊べそう。
そうであれば間違いない。
それはGigamic社のゲームだ。
Simple and complexity
簡単なルールだけど奥深く
Simple and fineness
単純な造形だから美しい
相反する魅力を内包するこのシリーズ。
何処だっていいから置いておき、
何時だっていいから遊んでみて。
フランス、Gigamic社の
名作アブストラクト。
『Quoridor』という言葉はおそらく造語で、正確な意味は分からないが、「回廊」を意味する『corridor』という
言葉が語源になっていそう。
溝に囲まれた9×9の81マス上で行われるこのゲームは、自分のコマを対岸に運ぶことが目的なのだが、何もない平原を歩いていたら、突然、目の前に壁が出現するのである。そして、それらの壁は連なり、複雑な回廊が作られる。いつの間にか無限にあった道筋がひとつに収束していくのだ。
深読みして『Quo+corridor』とするなら、「回廊に向かって」という感じで、さらにゲームイメージにピッタリとなるが、『ラテン語+英語』になるのでかなり怪しい。管理人のロマン溢れる勝手な解釈なので、マドモアゼルには話さないようにして頂きたい。
【ルール】
プレイヤーは交互に以下のどちらかを選択する。
1.コマを一歩動かす
2.手持ちの壁を好きなところに置く(全部で10枚)
自分のコマが対岸の相手の陣内に入れば勝ち。
オセロよりはちょっとだけ難しいが、碁や将棋よりは格段に簡単といったトコロ。しかし、このアブストラクトの最大の利点として、1ゲームが非常に短いということが挙げられる。
このゲームのイメージは「インファイトボクシング」。
一気に詰め寄り、ひたすら手を出し合う。打ち負けたら敗北だ。
しかし押していても油断はならない。相手の鋭いカウンター1発、あるいは自分の軽率なミスがそのまま逆転の致命傷になる。
オセロ並のルールで、将棋のような定石・戦法があり、たった一手のミスで勝敗が決する。一戦の時間もさほどかからない。
これは見事の一言に尽きる。
年齢問わず面白いし、見た目もオシャレなので万人にお勧め。
オセロは出来るけど、将棋は難しいよ、って言ってる子にも是非。
欠点を挙げるとすれば、致命的なミスして取り返しのつかないことが分かったときに、ミスが明確な分、とてつもなく悔しくなることだろう。これを繰り返すとゲーム自体を嫌いになりかねないので、そういう点ではシビアかも。
熟練者はアドバイスをしてあげよう。
あとは3人プレイも難しそう。4辺使用する盤上での3人ゲームは
明らかにバランスが悪い。
4人プレイはやっていないのでわからないが、最大のポテンシャルを引き出せるのはやはり2人だろう。
上図は、一手差で紫が勝ちを決めたところ。(紫右上攻め)
お互いが致命的なミスをしなければ、このように最後は一つずつの道ができて決着だ。
世界にはこのゲームをかなり研究している人もいることだろう。
仲間内でもこのゲームは好評であるため、今後当サイトでも戦術について検証してみようと思う。
どれほど使える理論になるかは未知数だけど。