ドワーフの王様

<ドワーフの御触書1月:生類憐れむべし>

 

「なんか生き物食べちゃダメなんだってさ」

「じゃあ野菜を作るラリ」

・・・

 

「王様~、地主ドワーフが土地を独占します~」

 

 

<ドワーフの御触書2月:地球は皆の土地>

 

「野菜って今や貴重な食料だよね」

「じゃあ値段を上げるラリ」

・・・

 

「王様~、農民ドワーフが高値で野菜を売ってきます~」

 


<ドワーフの御触書3月:ドワーフ皆平等>

 

「なになに、金持ちは貧しいものにお金を分けなさい…」

「一番持ってるのあの人ラリ、貰いにいくラリ」

・・・

 


・・・4

 

「あれ?あそこのボロ雑巾みたいなの元王様じゃない?」

「なんか立札持ってるラリ」

<ドワーフの御触書4月:今までの全部ナーシ!>

 

・・・

「わかったラリー!」

 


こうして王様はまた王位に返りました。

ドワーフ王国は今日も平和です。


Rule & Analysis




『あやつり人形』や

『ババンク』で高名なフェドゥッテイ作の

トリックテイキング。

このゲームはトランプの『ハーツ』に似ている。


親が出したスートに合わせて手札をプレイ。

同じスートで最強のカードを出した人が、そのトリックを獲得。スートが合っていなければどんな数でも敗北だ。

このゲームのスートは、

『ドワーフ』『ゴブリン』『ナイト』

の3種類。
数もトランプ同様A(エース)からK(キング)までの13種。
弱い順に2~10、J、Q、K、Aとなる。

よくあるパターンで分かりやすい。


さて、トランプの『ハーツ』の場合は、ハートのスートが-1点になるため、これをなるべく取らないようにするゲーム。


Q.ではこのゲームの得点体系は?


A.わかりません


手札が配られたのち、各ラウンドの開始直前に「決まる」のだ。
これがこのゲームのミソである。

例えばこんなの。

上下のどちらかを『ナイトの5』を持った人が選んでよい。
当然だが、自分に有利な条件を選べる『ナイトの5』は、手に来れば来るほど有利だ。

 ちなみに他の『5』にも役割があって、『ゴブリンの5』は持っていればスタートプレイヤーになる。しかし、後に分かると思うが、スタートプレイヤーはどっちかと言うと不利なので、それほど嬉しくない。

 さらに『ドワーフの5』。これは前のラウンドで獲得した場合、

次のゲームのシャッフルをする、というルール。

喧嘩しない配慮か?まあ、ただの罰ゲームだな。



得点の条件は様々で、加点、失点両方ある。得点の振れ幅も大きく、全員が2、3点しか獲れないときもあれば、一気に10点以上獲得できることもある。


正式ルールでは7ラウンド行って合計点で決着だ。
ちょい長い気もするので個人的には5ラウンドにすることが多い。


得点、失点ともにあるので、ゲームとしては、

Trick taking & taken といったところ。


勘のいい人はピンとくるかもしれないが、このゲームでは圧倒的に「取らせる」方が簡単である。
理由はスートの条件。

マストフォローなので、そのスートが無ければ負ける。

しかし、このときには逆に好きなカードを出していいのだ。


そう、失点となるカードを

成功の秘訣は敗者が知っている

~ジョン・チャートン・コリンズ~


というわけ。
つまり押し付けたいカード(特に数字の強い場合は尚更)がある

ときは、さっさとそれ以外のスートを偏らせて、


「すんません、それ持ってないっす、もう負けでいいっす、

 これあげます、てへ」


って出すわけだ。

このゲームではカードは基本的に全て使用するのでカウンティングも重要だ。一枚ずつしかないので、各色のJ、Q、K、Aの有無くらいは覚えておきたい。

あとは恒例の特殊カードもある。
しかし、このゲームでは14枚のうち毎回ランダムで一枚使うだけ。それも毎回皆で確認するので、ゲームに精通していて特殊カードを知ってる人が有利、って展開にはならない。
これは地味に良い点だ。分かりやすくてグッド。


このゲームは少しやると立ち回り方が分かってきて俄然面白い。

得点条件と自分の手を見て、ラウンドの作戦を練るのが楽しい。
勿論、カードの巡り方で思い通りにいかないことも多々あるし、

ダメそうなラウンドがなんだか上手くいったりする。


『人事を尽くして天命を待つ』
今はこんなイメージを持っている。


~個人的なポイントまとめ~
①取らせる方が楽
②相手のどのスートが尽きているかは覚えておく
③失点ゲームでは親は不利、下家に押し付けられる
④得点ゲームでは後半の親有利

 スート合わせられなければそれだけで勝てる
⑤ポイントとなるスートはカウンティングを

 せめて2、3、K、Aなど端っこは
⑥中盤以降のあるスートが尽きそうなときが一番の勝負どころ

個人的には好評価。
ルールに関しては、各々のグループに合わせてマイナーチェンジして遊べばいい。

我々はラウンド数の調節や、最後のゲームだけ、皆が勝つ可能性のある組み合わせにしたりしている。

例えば、特殊カード『11:魔法使い』、勝負条件『騎士と王族』で

理論上は+46点まである。これが成るのは「九蓮宝燈」や「緑一色」で上がるのと同じくらいの確率かもしれないが、これなら最後までドキドキだろう。

 

最後に非常に残念な欠点を挙げておく。

この蓋に磁石を仕込んだイカしたケース。
何かを思い出さないか?
そう、『ビブリオス』だ!


(そういえば、あのケースはカードが全部取れないんだっけ)


どきどき・・・


出るやん!
やれば出来るやん!


良かったー。よし、仕舞おう。

ガサッ


・・・



・・・



ちゃんと深さ考えんかい!!

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