予兆は既にある。
過剰で狂乱した投機による不自然な株価上昇。
有効需要に見合わない生産過多で溢れる不良在庫。
ヨーロッパの株式参戦・・・貿易の停滞・・・融資の転換・・・
これは実体のない好景気。程なくして泡のように弾けて消え、未曽有の恐慌が起こるだろう。まもなく紙屑と化すであろう株には手を出さない方が良い・・・
否
僅かだが・・・まだ時間はある。徹底的に売り抜き、この異常高騰を最大限に利用してやる。数年前に仕掛けたUNION PACIFIC鉄道、扱うならあの株がいい。
そうだ、来たる審判の日、このウォール街で笑うのは・・・
私ひとりだ
1929年 9月4日 Jesse Lauriston Livermoreの手記
安く株を買い、高いときに売る。ブラックマンデーになると株券は紙屑になってゲーム終了。
場にある同じ種類のカード枚数が、そのまま1枚の価値になる。例えば5枚場にあるとき、一気に3枚売れたら15点だ。売られた後は場に2枚しかないので、1枚2点の価値しかなくなる。
敢えて「点」と書いている理由は、この株を売った「点」と株を買うための「金」が違うからである。株を売ってもお金は返ってこない。じゃあ資金はどう調達するのか?
ゲームの流れとしては、山札からめくられた株券に対し、プレイヤーが順に「買い」「オリ」を選択する。「買い」なら1金を場に払い、「オリ」なら場に溜まっている金をもらって競りから撤退。お金はこうやって得る。あとは「-2点」で1金貰えるが、このゲームの「-2点」は結構キツイので、出来ればタイミングよく降りて資金を獲得したい。
このゲームの面白いところは「売る権利」も買わねばならないところである。カードには縁取りがしてあり、その色が今回売れる株券の種類を表している。上述のように競りをしていき、最後まで残った人と2番の人まで決める。1位の人は「その株券を貰う」か「縁取りしてある色の株券を売る」かの選択ができる。2番の人には選ばれなかった方の権利が貰える仕組み。大量に株券を買ったはいいが、競りで「売る権利」を得られないまま、ブラックマンデー、はい、紙屑。ってのは最悪のパターン。カードが山札からめくられる度に、「配当」として同じ種類の株券分の得点も入るため、ギリギリに売り抜きたいのは皆同じ。そして、高得点で大量に売り抜けたときは、まさに快感である。
株は種類によって総数が違う。さらに縁の色(=売るチャンス)も不均等である。
枚数は、
黒5、黄5、青6、白7、赤8 (枚)
一方、売るチャンスは、
黒⑥、黄⑥、青⑦、白⑦、赤⑤ (回) である。
赤はゲーム開始時に皆へ1枚ずつ配られる。そして最多枚数かつ最少売却機会なので、これをうまく扱うことがひとつのポイント。例えば4人プレイ時は、最初から1枚4点の価値。いきなり高得点だが、もちろん初手で売るのは上手くない。売ったところで残りの人も「配当」として以降3~4点は稼げるからだ。逆に最初の赤を押さえると、1枚5点が2枚、10点分である。これは相当なアドバンテージである。仮に1枚くらい他プレイヤーに売られてもまだ8点だ。多少無理しても手に入れる価値はある。
もうひとつのポイントは白だろう。総数7枚と2番目に多く、売る機会はトップタイ。つまり「ためて売りやすい」のだ。さらに、売りやすいということは、「配当」用に結構ギリまで持ってられるということ。もちろん枚数自体も多いので「配当」の機会も多い。
まあ、皆でこればっかり狙っていると、第3者に他の株を安く買い叩かれたりして「漁夫の利」されてしまうことがあるのも御愛嬌。
「投資」でいくか、「投機」でいくか。マネーゲームにはいつだって終焉があり、勝者といえる人は少ないのが常である。