東海道

 

「どうにもさ、堅いんだよね」

 

道中記を読んでみたのだが面白くなかった。旅の情報本なので、道の選択や推測される旅費、お勧めの土産などは記載されているが、

 

「これじゃ実感わかないんだよなあ」

 

情報が無機質だからだろう。旅案内に面白さを求めるのは酷だが、市九少年は、正確や成功よりも、曖昧や失敗の方が面白いことに薄々気づいていた。

 

(いつか自分が書くとしたら・・・)

 

手綱を引かれ道行く栗色の馬を見ながら市九は思った。

 

(とびきり可笑しな旅行記を書いてやろう。

 そうだな、題名は・・・)

 

 

 

 

『此世をば どりゃお暇に 線香の 煙と共に 灰左様なら』

彼は死ぬとき、自分の体に花火を仕込んだとかしないとか。

 

Rule&Analysis

 

 『花火』で有名な日本フリーク、ボザ氏の作品。

 

 

 舞台は勿論日本。イメージは江戸時代あたりだろう。東海道をノンビリ旅するゲーム。

 

 

 カード名称に日本語が書かれているが、これはデフォルトであり、別に日本語版というわけでない。まあ、日本国民としては

なんだか嬉しい。

 

双六に似ているが、サイコロは無い。

順番に進みたいところまで進むのだ。

 

当たり前だが、普通の双六のように早くゴールに着くことが目的ではない。勝利点制度である。

因みにスタート京都からゴール江戸までは最短4手だが、そんな

超高速参勤交代プレイはゲームに対する冒涜なので打首獄門だ。

 

さて、それではマスの説明から。

   

 

   【田畑】
    3金貰える
 

 

 

   【村】
    お土産買える

    得点は特殊 後述

 

   【景観】
    対応した景色カード貰える

    3種類ある

    得点はカード右下記載

 

 

    【温泉】
     得点(2or3点)貰える

 

 

 

   【神社】
    寄付して得点貰える(1〜4点)

 

 

   【出会い】
    出会いカード引く

    効果はさまざま

 

 

 

   【宿場】(5ヶ所)
    必ずストップ。

    全員来たら食事タイム。

 

こんな感じ。

 

最後尾の人が、自分の好きなマスまで移動することでゲームは進んでいく。
自分に有利なマスに止まるのが基本だが、このゲームは1マスに

複数人は停止出来ないので早い者勝ち。

しかし、先に進みすぎると、残りの人が後方からのんびりと点を稼ぎながらやってくるので、手数では損をすることになる。

 

ジレンマが分かり易くてとても良い。

面白いのはお土産の得点。

購入出来るのは山札からめくられた3枚だが、大事なのは右下の

マーク。

お土産は4種に分類されていて、後に手に入れたマークほど一枚あたりの点数が高い。1種目は1点だが、2種目は3点、3種目は5点、4種目は7点にもなる。つまり4種目を2枚手に入れるだけで14点だ(全てでは23点になっているはず)。ここまでで最低5枚は必要なのでお金は沢山いるし、引き運にも左右はされるが、ゲーム中で最も点差がつくジャンルなので、逆転を狙うときはコレがいい。

 

 

勿論、この手のゲームにありがちな終了時ボーナス(一番料理に

お金使った、一番出会いが多かった、等々)も設定されているが、得点が+3点程度でそこまで旨味がない

その中で一番差が出るのは神社への寄付金で、

 1位:10点、2位:7点、3位:4点、以降2点

となっている。

なるべく上位につけたいところだが、寄付にもお金が必要で、

お土産とどちらに割くかは考えものだ。

 

このゲームのお金の使い道はあと一つ。
『お土産』、『寄付』、そして『食事』である。

前述の『宿場マス』には必ず停止し、全員がそろったらお金を

払って食事。ランダムかつ複数枚あって来た順に選択できる。

この食事代は1~3金となるが、1枚自体は6点と高め。

お金がないと当然食べられない。食べ損ねの-6点は痛い。

当たり前だが、飲食店にはお金を持って入るべき

 

あとはワンアクセントで、キャラクター毎に初期所持金の違いと

特殊能力がある。

 

たとえば、このキャラなら、所持金3金スタート、特殊能力は

「宿場で景観カードを1枚貰える」というもの。

このようにキャラクター毎に違いがあり、勿論、強キャラや弱キャラと多少の差はある。しかし、毎回キャラに合わせて特殊能力を活かした道程をプラン出来るのは、ほんとに旅行の計画を練っているようで、個人的にはゲームの雰囲気に合ったよいアイディアだったと思う。

どこまでもいける双六なのに、皆道中は基本鈍足。

ゆっくり旅をしている感が味わえる良いゲームだと思う。

ルールも簡単なので初心者にもお勧め。


因みにゲーム総じてほぼ間違いのない日本語、及び漢字ですが、

 

惜しい!! 

江戸時代に京都『市』はない。

 

 

ん?もしかして仕様かな?

パラレルワールド的な…

 

・・・

考えすぎかww