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キトゥン・ブルーの夜空を避けるように酒場に入った。
いつものシュバルツ・カッツを注文する。
鰹節を肴に一杯やっていたら、突然声をかけられた。
「ルドルフとイッパイアッテナは知ってる?」
もちろんだ。
「100万回生きたヤツは?長靴を履いたヤツは?」
知らないわけはない。いわゆるこの世界の成功者さ。
「君もプロデュースさせてくれ」
変なことをいう雄だ。
俺は喉をゴロゴロいわせることしかできないぜ。
「その声が欲しい」
気付くと酒場の入り口には3匹の猫がいた。
「カルテットを組むんだ。もうデビューの曲名は決まっている」
『Katzenjammer Blues(猫の哀歌)』
やれやれ、おかしなことになった。
こりゃ雨でも降るのかな。そういや顔洗ったっけ。
クニツィアのお手軽競りゲーム。
絶版となっていたものを、「NewGamesOrder」が再販、日本語化してくれた。ありがたや。
カードは1〜5までの数字とジョーカーの6種のみ。場のカードを競り落とし、同じ数字4枚集めて「カルテット」を作って得点していく。得点は揃えた数字分。合計で勝負だ。
ちなみに色はゲームに関係ない。それぞれ下段に歌詞も書いてあるがやはりゲームには関係ない。ただのデザイン。完全なる不要善だ。こういうのは個人的に非常に好感である。
面白い所は競りに使う「お金」となるのも、またカードであるという点。ちょっと詳しく説明しよう。
まずは毎回場にカードがめくられる。同じ数字かジョーカーが出るまでめくるルールなので、場には1〜6枚出ることになる。それに対して手持ちのカードを払うことで競るのだ。
つまり手札を消費して手札を補給する。例えば1、2、1の3枚を得るために、4を3枚とか払ってたら本末転倒である。場札の出方である程度相場が決まるのだ。あとは各々の手札の状況によってプラスαもされよう。
このように初めてやる人でも場札に対する相場が分かりやすい。これは誰でも遊びやすくなる素晴らしい利点だ。
競りの入札のルールは以下の通り。
・「全て同じ数」か「全て違う数」で入札。
・枚数が多い方が価値がある。
・枚数が同じなら、「全て同じ数」の場合ならその数が大きい方が
価値がある。「全て違う数」は同じ枚数のときの最弱扱い。
競りの流れ一例(下ほど強い)
「バラで2枚」
「2で2枚」
「5で2枚」
「バラで3枚」
「1で3枚」
「バラで4枚」
・・・
こんな感じ。
前の人以上の入札をする必要があるので、相場を見極めてギリギリのラインで入札するといいだろう。繰り返すが、その相場が分かりやすいこのゲームは、やはり競りゲームの良作といえる。
ジョーカーは好きな数としてあつかってもいい。こう書くとジョーカー引いたもん勝ちかと思われてしまうが、当然ながらデメリットもある。ゲーム終了時に場と手札を合わせて一番ジョーカーを所持していた人はー5点のペナルティを受けるのだ。最高の5のカルテットで得る点と同じだ。
そしてお気づきだろうか?「手札にあっても」である。
つまり使わなくたって持ってるだけでペナルティ候補。拳銃は撃たなくったって銃刀法違反なのだ。だから引いてしまったら使ったほうが得である。勿論、拳銃の方は撃ってもいけない。
一番使用&所持していなければいいだけなので、二番手が理想ではある。使ったジョーカーは公開されるので、ある程度誰が一番持ってるかは予想がつく。
さて、もし自分が一番持ってそうだったらどうする?
状況にもよるが、「ガンガンいこうぜ」がいいだろう。理由はこのゲームの獲得できる点数には上限があること。実は3人プレイだと先着20点分、4人以上なら24点分しかないのだ。これを早い者勝ちで取り合う。
3人プレイでジョーカー連発したときの目標点はどれくらいだろうか?勝利をほぼ確定させるには12点くらいでいいのだ。5、4、3のカルテット一回ずつくらいである。1人で12点ならマイナスいれて7点。残りの8点をひとりのプレイヤーが独り占めしないと抜かれない。点数の分配によってはもうちょっと少なくても勝てる。要は3人ならジョーカーマイナス抜けば15点なので、5点越えるくらいが勝利ラインになる。
一応救済策として、ジョーカーでカルテットを作れば丸ごと破棄できる。しかし破棄ばっかり狙うのはどうだろう?基本的にはジョーカーを破棄して5点削るよりは、乱発して6点以上獲得したほうがいいに決まっている。もし終盤に接戦でジョーカー数でトップになってはいけない時だけ破棄を考えたらいいだろう。
ドイツで一番買われているペットは猫である。
ドイツといえばビールの本場。ビールなら16歳から飲める。
ドイツ、ボードゲーム、猫、お酒・・・
これらがひとつなぎになることは全くもって当然。しかし、注意がひとつ。猫にはお酒を飲ませてはいけない。少量が致死量のアルコールになる。一人称「吾輩」のあの猫だって、最後は酔って甕に落ちてしまうのだ。