KFC
何の略称かなんて説明無用。世界規模で展開している揚げ物ファーストフードチェーンさ。味付けは一部の人しか知らない企業秘密。60年以上も同じ味でやっている。
揚げ具合がポイントさ。なるべく、こんがり、パリッ、といきたい。でも欲張りすぎると台無しになるんだ。
複数で食べると取り合いになること間違いなし。
それがこの、KFC、『Knizia Fried Caterpillar』なのさ!
好物について得意気に語った鶏は、今まさに芋虫を平らげようとしましたが、次の瞬間に白い髭のお爺さんに首根っこを掴まれて、どこかへ連れていかれました。仲間の鶏には彼がどこに行ったのか知る術はなかったので、取り敢えず彼の残した芋虫を美味しく頂くのでした。
Theサイコロゲーム。クニツィアの作品。
出目により特定の数字が書かれたタイルを獲得していく。タイルには数字の他に、かわいい虫の絵が描かれており、最終的にこの虫の数が多い人が勝者となる。
サイコロは8個。勿論、普通に振って出目の合計で競うのであれば、何にも面白くはないだろう。出目の確定にはいくつかの条件があるから面白いのだ。
条件1。毎回、振った出目の中から好きな数をひとつ選んで、その目のサイコロを脇にどけてキープする。こうやってキープしたサイコロの目の合計が最終的な値になるのだ。このとき同じ目が複数あれば全てキープとなる。例えば、3の目が2つ出ているのに1つのサイコロだけ、ってはダメ。
条件2。一種類の出目を一度しかキープ出来ない。先ほど5の出目を1つキープしたのに、次の出目でまた5が2つも出たからキープ、とはいかないのである。
条件3。タイルを獲得するには、キープした中に必ず「虫」の目が必要。このサイコロは1~5までと、6の代わりに「虫」が描かれている。この「虫」の目が一つは含まれていないといけないのだ。「虫」の目は数字の5としてカウントもできる。
以上の条件を全て満たした上で、場にあるタイルと同じ目を出せば、晴れてそのタイルを獲得できる。もし、場のタイルの数字を上回ってしまっても、その下の一番近い数のタイルをゲット出来るので心配無用。また、得たタイルは自分の前に山積みにされるのだが、もし誰かの得たタイル山の一番上と同じ数を出せれば、それを奪うことが出来る。チーキーモンキー的な感じだ。
勿論、出目の合計が届かなかったり、「虫」の目が出なかったりと失敗することもあるだろう。そのときは今までに得たタイルを1枚ずつ場に戻す罰則がある。同時に、場にある取られていないタイルを、大きい数から裏向きにしてゲームから取り除く。これはグダらないようにゲームを集束させるためのシステムである。
運が大きなウエイトを占めるゲームだが、誰かがバーストするとタイルが減っていくというシステムのおかげでテンポが良い。運ゲーはテンポが非常に大事であり、何回もゲームが行えることで、今回ダメだったが次回こそは、といった気持ちになれる。このあたりはククに似ているかも。そんなに頭は使わないので疲れたときにちょうどいい。
コンポーネントはしっかりしている。木製でかわいい「虫」の描かれたサイコロ、同じく重量感のある雀牌のようなタイル・・・
「タイルしっかり造ってあるなあ、大きい方から36、35、34、29、32、31、30、29・・・?」
まさかの事態、33の代わりに29がもう1枚入っていた。最初の全体像の写真でも「29」が2枚あることが確認できるだろう。
しっかりした造りでも、入れ間違えたら何にもならんじゃろーが!