城下町に足を踏み入れた時、最初に出会ったのは大量の水筒を抱えている戦士だった。聞くところによると、薬やお酒とかではなく、このアンドール国の限られた場所に湧いている井戸水らしい。
「僕はこの水が好きでね、1日1回は飲まないと気が済まないんだ。ゴクゴク…」
話している傍から飲んでいる。
変な奴だ。好奇心で話しかけたことを後悔した。
次に、武器屋で買い物をしようと思ったら、カウンターで大騒ぎしているドワーフを見つけた。どうやら店主と揉めているようだ。
「俺の故郷ではよぉ、こんな武器は半額で売ってるぜぇ!」
その武器はただでさえ2Gと格安なのに、どうしても1Gまけたいらしい。
変な奴だ。暫く買い物はできなそうなので、目で助けてと訴える店主を尻目に外に出た。
城に向かう途中に特訓中の女射手を見た。その容姿には問題なく、大声で騒いだりはしていなかったが・・・、
(い、一体いつから練習していたんだ!?)
路に並ぶ殆どの街路樹に、おびただしい本数の矢が撃ち込まれている。木に恨みでもあるのだろうか。あまりの異様さ、迫力に自警団も注意するのを躊躇っている。近くの子どもなんて泣いている。TPOの概念は森にでも置いてきたのだろう。
変な奴だ。尚も一心不乱に矢を射る彼女を避けるようにして城の門をくぐった。
「お主を呼んだのは他でもない。まだ限られた者しか知らぬが、今この国は未曽有の危機に瀕しておる。お主の魔術のチカラを貸してもらえぬだろうか。」
病床に伏せる国王直々の頼みとあっては断るわけにもいかない。
「有難う、引き受けてくれるか。おお、そうだ。実はお主同様、この国の優れた戦士達を今日城に呼んであるのじゃ。我が国屈指のお主らがパーティーを組めば、この受け入れがたい現状も打破できるであろう。もうそろそろ来ると思うのだが・・・」
そうして振り向いた私の眼に、こちらに向かって歩いてくる、受け入れがたい3つのシルエットが飛び込んでくるのであった。
今、アンドール伝説の幕が上がる・・・
2013年のドイツゲーム大賞エキスパート部門受賞。
王道ファンタジーな協力型ゲーム。
イベントや敵の移動はシステム化されているので、いわゆる「マスター」は必要ない。皆で同じ目標に向かってプレイする。『ディセント』ではなく『パンデミック』に近い。
こういった類のゲームは、まず持ち主がしっかりシステムを理解して、事細かにインストをしなければならないことが多い。実はこれは結構大変。しかし、なんとこのゲーム「開けてすぐ遊べます」との表記あり!最初のシナリオで、移動、戦闘、時間経過などゲームに必要な知識について、イベントの解決という形式で順番に教えてくれるのである。昨今のテレビゲームの様だ。
という訳でルールとか詳細については、プレイ記の中で説明していくことにした。全5シナリオのレビューを書いていく予定。これが出来たら、同様にシナリオタイプである『ディセント』や『マンションオブマッドネス』のレビューを始めたいなと思っている。